二つの文明が折り重なる街
カルタゴは、地中海の覇権をローマと争った、ただひとつの都市の名です。紀元前814年にフェニキア人が築いたと伝えられ、三度のポエニ戦争を経て紀元前146年に破壊され、その後ローマの植民都市として蘇りました。ひとつの地面に、ポエニとローマ、二つの文明が折り重なっています。1979年ユネスコ世界遺産。
ビュルサの丘 — 街を見下ろす中心
ポエニ時代の城塞があったビュルサの丘には住居跡が発掘され、今はカルタゴ国立博物館と、丘に立つサン・ルイ大聖堂が街と海を見下ろします。まずここに立てば、点在する遺跡の位置関係がひと目でつかめます。
アントニヌスの浴場 — 海辺の巨大遺構
海辺に広がるアントニヌスの浴場は、西暦2世紀に築かれたローマ世界でも最大級の共同浴場でした。地上部分は失われましたが、残る巨大な地下構造だけでも、往時のスケールが伝わってきます。
ポエニの軍港跡
円い入り江に船を並べた古代の海軍基地——ポエニの軍港の形が、今も水面にそのまま読み取れます。カルタゴが「海の帝国」であったことを、いちばん静かに物語る場所です。
滅ぼされ、埋められ、その上に新しい街が築かれた。カルタゴの地面は、文明が二重に折り重なっています。

